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「智、櫻井さんに感謝しろよ？
櫻井さんのおかげで、命拾いしたんだから」

「命の恩人、ってやつ？
翔ちゃんカッコよかったよねぇ」

「えっ？櫻井さんが助けてくれたんですか？」

櫻井さんを見ると、はにかみながら答えてくれた

「ふたり共大袈裟なんだよ
たまたま俺が浴室覗いたら、大野が倒れていくのが見えたの」

「たまたま、って言ってもねぇ…」

ニヤニヤ笑う相葉さん

「なかなか智が出てこないから、先に部屋に帰ろうとしたら
櫻井さんが『大野に声が掛けていく』ってね」

「そうそう、んで
浴室のドア開けたら『大野っ！』って、叫んで走り出したんだよね」

「その直後に水音がして
何事かと思って俺たちも後を追ったら
服を着たまま浴槽に飛び込んだ櫻井さんが、智を助け起こしてたんだよ」

櫻井さんが助けてくれた…

「ありがとうございます
俺、のぼせやすいのに長風呂しちゃって…
ご迷惑お掛けしました」

そう言うと、櫻井さんは目を見開いた

「のぼせやすいのに長風呂？
ぷはっ！大野、お前やっぱり面白いなぁ！
ってか、チャレンジャー？
お好み焼きの時といい、なんで弱点に挑もうとするのよ？」

ケラケラと笑いが止まらない櫻井さん
涙まで流して笑ってるよ

「挑戦してるつもりはないんですけど、結果そうなってますよね？」

「うん、なってる！
今回は無事でよかったけどさ
これからはあまり無茶な挑戦はするなよ？」

櫻井さんは片手で涙を拭いながら、もう片方の手で俺の頭をクシャっと撫でた

「はい、気を付けます」

無茶な挑戦になったのは櫻井さんのせい…とは、口が裂けても言えないな