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take a breather

第21章 Be with you

「いただきます!」

「「いただきますっ!」」

キャプテンの後に続いて挨拶をすると、部員たちは一斉にカレーを口に運んだ

「うめ〜っ!」

「うまっ!」

あちこちから聞こえる賛辞の声
良かった…みんなの口には合ったようだ

でも、肝心の櫻井さんからの声が聞こえない
心配になって、チラッと様子を伺うと…

っ⁈なんだ?この可愛い生き物!

ほっぺたをパンパンに膨らませて、口をモゴモゴさせている

頬袋でも付いてんのか⁈
この人、人間じゃなくてリスだったのか⁈

あまりの可愛さにジッと見惚れていると
櫻井さんがそれに気付き
小首を傾げ、俺を不思議そうに見つめる

ヤバいんですけどっ…そのダブルパンチ!

ごくんとカレーを飲み込んだ櫻井さんが俺に問う

「どうした?大野」

どうしたって言われても
あなたが可愛すぎて見惚れてました、なんて言えない

「あ、いえ…リス、みたいだな、って…
普段の櫻井さんって、もっと大人のイメージだから…」

「リス?俺がか?」

ちょっと驚いてる感じな所を見ると、本人には全く自覚がないんだ

「あ〜わかる〜
翔ちゃんって昔から、美味しいもの食べる時、その食べ方するんだよね
美味しいか美味しくないかのバロメーター的な?」

「嘘っ!俺、物によって食べ方変わるの?」

「違うよ?口いっぱいに入れてる時は美味しいんだな、って思ってた」

「早く言えよっ!恥ずかしい…子供みたいじゃん」

「だって、初めて見た時は子供だったんだもん」

長年、友人の相葉さんからすれば
わざわざ言うほどの事でもなかったんだろう

そのおかげで、俺は超絶可愛い櫻井さんを見る事が出来た訳だし?
俺としては相葉さんに感謝だな

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