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take a breather

第3章 このままもっと

「嫉妬?なんで?」

不思議そうに智くんが聞く。

「…ニノを見る目が優しかったから」

「そうかぁ?普通だろ?」

わかってないんだ。
そりゃそうか…意識して見た訳じゃないんだもんな。
智くんの気持ちが自然に目に現れただけ。

ほんと、誰にでも優しいんだから。

だから気が付かなかったんだよ、俺のことを好きだなんて。

「でも嬉しいな」

「なにが?」

今の会話で嬉しくなるポイントあったか?

「そんなことで翔くんに嫉妬して貰えるなんてさ、本当に翔くんが俺のこと好きになってくれたんだって実感する」

ニノを見ていたよりも幸せそうな眼差し…

智くんがこちらを向き、その眼差しを正面で受け止めた。

心臓がドキドキと鳴り出すと同時に顔が熱くなる。

「翔くん、ありがとね…
俺、今、人生で一番の幸せ感じてるかも」

お礼を言われることなんて何もしてない。
それどころか、智くんに苦しい思いを沢山させてきたんだ。
こんな俺を智くんはなんでここまで想い続けてくれたんだろう…

「智くん…どうして今まで俺のこと好きでいてくれたの?
恋人が出来たとき離れようとか思わなかった?」

「思わなかった」

迷わず答えた智くん。

「どうして?」

「正直言うと、翔くんが付き合ってるのが男だって知ったときはショックは受けた」

智くんには恋人が出来たことだけ報告したのに、ナゼか相手が男だってバレた。

なんで智くんはあの時、知ってたんだろう。

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