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take a breather

第3章 このままもっと

「翔くんさ、大学生の時に彼女いたじゃん。
その後も、何人かの女の子と付き合ってたけど、その頃って翔くんにあまり変化がなかったんだよね」
 
「変化?」

「そう、変化。
でもさ、男の人と付き合い出したら色っぽくなったんだよ。
男の色気というよりは、艶っぽくなったっていうか…
フェロモンなのかな?俺の雄の部分が反応したの。
だから、男の人と付き合い出したのかな、ってね」

「嘘!そんなのでわかるの?」  

自分では全く気が付かなかった。

「うん。わかっちゃったんだよね。
でさ、その内翔くんから同居の解消言ってくるだろうなって
なのに言ってこなかっただろ?
ってことは、翔くんとしてはそこまで相手のこと好きじゃないのかなって思ったんだ」

「え?そんなことくらいで?」

「だって恋人のこと考えたら他の男と同居なんて出来ないじゃん。
俺との同居を止めようと思わない内は、本気の恋じゃないんだって。
だとしたらまだ可能性は残されてるだろ?
しかも翔くんが男と付き合うことが出来るってわかったんだから、諦めるにはまだ早い」

智くんの言うことはごもっとも
男の人と付き合ってたんだから、通常なら問題のない同性との同居も、恋人からしてみれば面白くはない。
それなのに俺は智くんとの同居を止めようなんてこれっぽっちも思わなかった。

あの段階で雅紀に同居を止めろと言われても止められなかったと思う。 
どちらか選べと言われれば間違いなく智くんを選ぶ。

そう考えると、俺にとって智くん以上に大切な存在って今までいないんだよなぁ

そしてこれからも…

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