テキストサイズ

take a breather

第3章 このままもっと

申し訳ないやら、情けないやら…

それでも智くんの気持ちを知って嬉しいやらで、俺の心と頭は収拾がつかなくなった。

涙腺が崩壊した俺の涙を、智くんがずっとおしぼりで拭い続けるという始末。

そんな俺たちを尻目に、潤とニノは楽しそうに食事をしていた。


「どうする?翔、ほとんど食ってないだろ?
何か頼むか?」

漸く涙が止まった頃
潤が気を遣ってくれたけど、泣き疲れたせいか食欲がわかない。

「ううん、いい…」

智くんの胸にグッタリと凭れかかったままだ

「後で腹減るんじゃねぇの?」

「いいよ、潤。
そのときは俺が何か作るから」

智くんの優しい声が頭の上から聴こえる。

「智、甘やかし過ぎ~」

潤に冷やかされたけど、その通りなわけで…反論の余地はない。

「ふふっ、違うよ潤くん。
甘やかしてるんじゃなくて、大野さんが翔ちゃんを離したくないんだよ。
潤くんが言ったんでしょ?『モノにしたときの幸せを感じて欲しい』って。
大野さんはそれを今噛み締めてるんだよ」

「あ~、なるほどねぇ」

「悪いかっ!25年だぞ?これくらいしても良いだろ」

俺の腰に回っていた智くんの腕に力が入り、キツく抱きしめられた。

「悪かないさ。
ただ智も普通の男だったんだ、と思っただけで。
俺はテッキリ智は修行僧なのかと思ってたよ
それか極度のM?」

「どっちもチゲぇしっ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ