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take a breather

第20章 I seek

〈N's eyes〉

昨夜、大野さんから『失恋した』と連絡があるかもしれないと
万が一に備えて、潤くんのマンションで3人で待機していた

潤くんの家なら、いつでも失恋パーティーを開けるだけの料理とアルコールがある

3人で軽く飲みながら食事をしていたが
大野さんと翔ちゃんがふたりで出掛けてから3時間が過ぎても大野さんからは音沙汰がなく、相葉さんが焦れ始めた

『こっちから連絡してみようよ』

『今頃よろしくやってるかもしれないから、やめとけ』

大野さんには『心配してた』なんて言ってだけど
潤くんも、そして俺もふたりは上手くいってると確信してた

だって、昨日の翔ちゃんがねぇ…

いつも番組を盛り上げてくれてはいるけど
あのテンションの高さはなかなかのモノ

何かあるのかと思ってはいたが
まさか大野さんとふたりでお出掛けとは…

となれば、翔ちゃんの気持ちも自ずとわかる

だから失恋パーティーの必要はないだろうと
ヤキモキしてる相葉さんをよそに
俺と潤くんはふたりでひそかに祝杯をあげてた

そのまま潤くんの家に泊まり
翌朝起きると、これまた焦れてる相葉さん

『早く行こうよ』

相葉さんを宥めるのが面倒くさくなった俺と潤くんは
いつもより早く仕事場に向かうことになった

焦れに焦れた相葉さんをなんとか大人しくさせて、控え室前まで来たわけなんだけど

相葉さんは、ここまで抑えてきた衝動が一気に爆発し
これでもか、って勢いでドアを開け放った

立ち尽くす相葉さんの向こうには
同じような驚きの表情を浮かべてる大野さんと翔ちゃんが抱き合ってた

ナニをしていたかなんて、聞かずとも…ってやつね

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