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Memory of Night

第6章 再会


「バカかおまえ! 今の言葉のどこをどう聞いたら告白に聞こえんだよ!」

「十分聞こえるって。それに宵、今とっても色っぽい顔してるからさ」


 にこやかに言われ、ついムキになる。


「おまえが変なことしてくるからだろ!」


 晃から離れ、路地裏から出る。

 「宵!」と呼ぶ声が聞こえたけれど、勝手なことばかり言う晃とこれ以上話すのは嫌で、振り返りもせずに歩き続けた。

 晃は宵の隣に並び、様子を窺うようなそぶりを見せる。

 そして、どこかぼんやりとした口調で言った。


「俺も……」

「え?」

「俺も多分、宵に対してだけだ。あんなに……狂暴な気持ちになるのは」


 晃は静かに目を閉じた。言葉を、自分の気持ちを探っているようだった。

 その言葉と間に、宵が戸惑ったように晃を見る。

 何か言おうと、口を開きかけた時だった。


「ねっねっ、お祭りまだァ? 早く行きたぁい!」


 後ろで子供の声がした。

 振り返ると、少し離れたところにいたのは五、六才くらいの女の子と、その母親らしき女性だった。

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