
Memory of Night
第6章 再会
「宵、三十一日何か予定ある?」
「予定?」
「もし無いなら――一緒に行かないか? 祭」
「え?」
突然何を言い出すのかと、宵が眉を寄せる。
「一緒にって……おまえと?」
「もちろん。デートしよ?」
「あ? デートって……」
(言葉の使い方、違うだろ……)
付き合ってるわけでもないのに、デートだなんておかしい。
またからかっているかと、宵が横目で晃を睨む。
晃はくすくすと笑った。
「冗談だよ、デートってのは。でも祭の誘いは本気だよ」
「……誘う相手なんか、いくらでもいるだろ? なんで俺なんだよ?」
「んー」
晃がつかの間視線を宙にさまよわせて考える。
「誰を誘おうと、そんなの俺が決めることなんだからいいだろ?」
「それ、答えんなってねーよ」
「宵がいい」
間髪入れずに即答され、宵を驚かせる。晃は迷いのない目をしていた。
「どうせ夏休みの間、ヤってばっかだったんだろ? 健康的な男子としてそれも一つの楽しみ方かもしれないけど。でも、長い連休中ずーっとベッドの中ってのもつまんなくない? 最後の日くらい、、夏らしいことして遊ぼうよ?」
