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Memory of Night

第6章 再会


 宵はとっさに晃の腕を掴み、自分の胸元から引き剥がそうとする。だがその前に、晃の指は宵の突起をぎゅっとつまんだ。


「う……っ」


 宵が、歯を食いしばるようにして声を抑える。


「宵の場合、体が感じやすいだけかな」

「……違う」


 晃の言葉を否定して、宵が首を振る。

 前も思ったけれど、晃は勘違いをしている。

 晃は宵から離れ、「何が?」と聞き返した。


「おまえが……変だから」


 熱い吐息混じりに宵が言う。


「え?」

「他の誰とヤッたって、こんな感じたりしねーよ……ッ。こんな……キスとか、胸触られたぐらいじゃ。なのに、なんで晃だけ――!」


 非難の言葉のつもりだった。

 晃はいろいろと経験が豊富そうだし、体が感じやすくなるつぼでも知ってるんじゃないか。だったらずるい。

 そんなことを思いながら晃に向き直ると、晃は目を見開いて呆気にとられたような顔で宵を見ていた。

 表情を変えずにつぶやく。


「……それは、遠まわしな告白かい?」

「な……! はあ!?」


 見当外れなことを言われ、声のトーンをあげてしまう。

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