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本気になんかならない

第5章 レスポワール

「それどういう意味?」

委員会や部活の人数あわせのお誘いは、もう足りてる。俺の持つ枠は、もうオーバー。まさか俺に愛の告白でもないだろうし。買いだしくらいなら、つきあえるけど。
尋ねるとまた笑われた。

「私、宮石君のこと好きだから」

その、まさか?

「考えなおしたほうがいいよ?」

こんな俺、好きになっても何の得もない。
北里のことがなかったとしても、同年齢の女子なんて、何を喋っていいのかもわからない。
そう思って、アドバイスした。

なのに、頬っぺたを思いっきり叩かれた。
その音は静かな室内に響きわたった。

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