テキストサイズ

本気になんかならない

第5章 レスポワール

昼休みは、たいてい図書室。その日も静かに本を読んで過ごす。
と、横に座ったコがヒソヒソと話しかけてきた。

「宮石君」

呼ばれて顔を向ける。
ずいっと差しだされる小さな箱。

「これ、貰ってください」

「え?俺、誕生日じゃないけど?」

そう言ったら笑われた。

「やだ、宮石君。今日はバレンタインデーだよ?
バレンタインチョコ、貰ってね?」

「あ、あっそっか」

「ね、彼女いるの?」

「いない」

「じゃあ、つきあってくれる?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ