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サムライダー

第2章 ミオside

スカルの左腕、ちょうど肘の下あたりか。そこを軽く刀の刃が当たる。サムライは薄ら笑いを浮かべながら


「急いで輸血しないと死ぬぞ」


………コイツにはブラックジョークのつもりでも悪ガキどもにはまぎれもないダメ押しに聞こえたに決まってる。


ズッ! ガシャン


刀の刃を引き抜き、スカルがチェーンソーを落とすのがわかった。


「ぎゃあああああ、出血多量だ死ぬぅ 病院!」


「バカ!こんな時間にやってねーよ」 「救急車だァ」 「何かでしばれ!」 「ひェェェェェェ」 「ウデに力が入らねェェ」


パニックに陥る悪ガキたち、さて車のなかで怯えきってる若い女は手をぶるぶる奮わせながら泣き止んでた。

「やあ 彼女ひとりィ?」


思いもよらずカルーい一言にハッとする女。


「!!」


「サムライダー! おっおぼえてやがれー かっ必ず見つけ出してェ…… 」



悪ガキたちは逃げるためのバイクに乗りながら負け惜しみを言う。


「北陵高校2年4組、森昌雄(もりまさお)だ (大ウソだけどよ) 」


「いつでも来い!」



「ちくしょお〜かならず行くぞぉ〜」



……なんかさあ、夜遅くになにやってんのよねえ…。サムライも悪ガキどもも、あ、わたしもか。



情けない声を出しながらヘルメット軍団は爆音とともに走り去っていった。



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