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サムライダー

第2章 ミオside

チャッ


サムライ男がワルガキたちとの距離を少しずつ縮めて1メートル以内に歩み寄った。彼が歩き出すと鎧にも似た武装スーツの中のパーツが揺れて摩擦する音が



ガチャガチャ


と聞こえてくる。



「だいたい……」


ブッ



トーキングアイの前まで近づいたサムライ男がおしゃべりすぎるヤツだぜと言いたげにお腹に軽く刀を刺した。



「あら!? 痛ってェェェ ギエエ 血が出たア」



とはいってもほんの数㎝ほどの傷だろうけど。思わぬケガにうろたえるトーキングアイのTシャツの背中の布地を胸のあたりまで持ち上げたサムライ男は


シュッ


と裾の部分を刀で切るとトーキングアイをチェーンソーで切り刻まれた車のフロントにドサっと落とす。極度なストレスと思わぬケガで気絶したようだ。



仲間のガキどもに歩み寄るサムライはスカルのヘルメット男に目をつけた。


ブルンブルン


言い出しっぺのはずのリーダーが倒れてブキミなモンスターに運悪く襲われてる。悪ガキたちにとって間違いなく人生最大のピンチにちがいない。


チェーンソーで反撃したくともエンストしたらしくおとなしく命令を聞いて動いてはくれなかった。



「ちくしょォ かかれかかれーー」


ブルン


気の抜けた機械音だけがむなしく聞こえた、なにかが飛ぶような音がスカルのそばを通ったようだ。


ひゅん



サムライ男は左肩の上あたりに日本刀を振りかざすと


ビシッ


というなにか肉にでも当たるような音がした。



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