ぜんぶ俺の物〜ケダモノ弟の危険な独占欲〜
第2章 嘘つき
業務用ドライヤーを手に、ようやく顔を上げた亜貴は、殺風景なリビングを見回しながらそう言った。たしかに、ローテーブルとソファでは、座高差もあるし使い勝手が悪そうだ。
「うんいいよ」
亜貴にならってリビングを見渡すと、わが家は実に味気なく感じた。
こんなことなら瑛人さんの言う通り、お花の一輪でも花瓶に差しておけばよかった。ブラインドカーテンも閉じたままだし、最低限の家具以外は何もないし、まるで男の一人暮らしみたいだ。
「寝室どこ?」
「こっち。脱衣所の前の部屋」
私は玄関口に向かって歩き出す。亜貴も無言でついて来る。
……そういえば、脱衣所には扉が付いていなかった。
「じゃあ、あたしお風呂入ってくるから」
「いってらっしゃい」
亜貴は寝室へ入るやベッドに腰を下ろし、黙々と準備を始めている。素っ気ない横顔に、内心安堵した。そのまま寝室のドアを閉め、脱衣所に入って行った。
下着も何もかも脱ぎ終えたころ、ふと視線を感じた。
「な、なに」
亜貴がドアからひょっこり顔をだして素っ裸の私をみている。
「姉ちゃん、太ったんじゃない」
亜貴は遠慮のかけらもなく、じいっと私の裸をねめつけている。あわてて棚の上のバスタオルをひっつかんで前を隠すが、もう遅い。
「余計なお世話だから……!」
「あとでマッサージもしてあげる。ちょうどオイルもあるし、ダイエット効果もバツグンだから」
じゃあねと言って亜貴は再び部屋に戻って行った。
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