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ぜんぶ俺の物〜ケダモノ弟の危険な独占欲〜

第1章 1



成長期に入った弟はどんどん格好良くなっていった。
弟に熱を上げる女子は何人もいた。
亜貴と校舎内ですれ違うと、たいてい数人の女の子が後ろをくっつくように歩いていた。亜貴の方は、うざったそうだった。
『あ、あの人』
『だれ?』
『亜貴くんのお姉さん』
これが私と亜貴が校舎ですれ違った時の定番の台詞だった。
そのうち私は、『成瀬亜貴くんのお姉さん』として下級生の間で有名になっていった。亜貴の周りにいる子はかわいい子ばかりだった。私みたいに地味なメガネっ子は一人もいない。ほどなくして風のうわさで、亜貴が別の中学の女の子と付き合いだしたと聞いた。
内心、ホッとした。でもなんとなく夜這いは続くんだろうなと、心のどこかで予感していた。
その予感どおり、夜這いは終わらなかった。
亜貴は外泊も多くなっていて、家にいる日の夜は、たいてい私の部屋にきた。
──どうして私なんだろう。
たいして顔が良いわけでもないし、私は亜貴と違ってクラスでは地味で目立たないタイプだった。学校では王子様のように扱われ、彼女までいる弟が、夜な夜な部屋に訪れいたずらをする理由が分からなかった。
私はしだいに、亜貴の行為の理由を知りたいと思うようになっていた。

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