ぜんぶ俺の物〜ケダモノ弟の危険な独占欲〜
第1章 1
私はすぐに、寝返りをうつふりをして手をはたいた。でもすぐにまた胸に手が伸びてきて、小さな乳房は弟に{揉}(も) みしだかれた。
末っ子とゲームをして遊んでいたあの亜貴の手が、私のからだをまさぐっている。そのギャップが、どうしようもなく弟に芽生えた異性を感じさせた。のぞいてはいけない亜貴の一面をみてしまった罪悪感からか、私はどうしても起きることができなかった。
その行為は数分続いたのち、亜貴は静かに私の部屋を出て行った。
その日は朝までずっと起きていた。
翌朝、亜貴は平然とした顔で食卓に座っていた。普通に会話もした。私たちは、当たり前のように家族としての時間を過ごした。
父も、母も、末の弟も、亜貴が私に何をしたのかを知らない。知るはずがない。私だけが、この奇妙な現実を受け止めるしかなかった。
それからは、夜が来るたびに怯えていた。また亜貴が部屋に忍び込んできたらどうしようと。
予想に反して、一週間、十日と平穏に日々は過ぎていった。元の日常が繰り返されるにつれ、もしかしたらあの夜、亜貴は寝ぼけていただけなのではないか。何かの間違いではないかとさえと思うようになっていた。いや、そうであって欲しかった。
私も、何事もなかったように亜貴と話をしていた。
亜貴が私にしたことよりも、家族という枠が壊れる方がよっぽど怖かった。このまま、何事も無ければ良い。あの夜のことは、もう忘れよう。私は次第にそう思うようになっていた。
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