テキストサイズ

イジワルな彼女。

第9章 縁-エニシ-


僕はリビングの一点を見つめ、
淡々と話していった。
亮太の表情をまともに見れなかったが、
最後まで亮太は静かに耳を傾けてくれた。


「…って感じ。
何で出会っちゃったんだろな?」

まだ亮太の顔を見ることが出来ない僕は、
とりあえずまた飲み物を口に含んだ。


少しの静寂が僕らを包む。
そして、ついに亮太が口火を切った。

「悠…お前、うらやまけしからんなっ!」

「!?」

「んだよ!
年上の超絶美人に巡り会うとか…
ドラマかよ?くっそ!」

そう言いながら、亮太は僕の方へと
近付いて頭を軽く叩くと
そのまま髪をぐしゃぐしゃにした。

「…」

それから亮太は、コンビニで買った
炭酸飲料をおもいっきり振りだした。

「亮太!それだけはやめてくれ!」

僕は慌てて立ち上がる。
亮太は僕を見てニヤリと笑った。
僕の懇願も虚しく、亮太は
ペットボトルのキャップに手を伸ばす。

(終わった…)

そう思った瞬間、
いきなりペットボトルが宙を舞い
僕の腕の中に飛び込んできた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ