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イジワルな彼女。

第2章 歩-アユム-


いつもより遅い時間に外に出ても
まだ暑さが残っている。
おまけに、さっきついた嘘も相まって
僕は少しイライラしていた。

スマホを取りだし、時間を確認してから
そのまま僕は電話をかけた。

「ゆう?どーしたんだよ、いきなり」

「バイト終わった頃かなと思って」

「なんだよ、ちょうど今終わるとこだわ」

「そっか。このあと時間ある?」

「おー!メシ行く?」

「うん。場所はいつものとこでいい?」

「おっけ!お前、家から来んの?」

「いや、予備校から」

「へー、ごくろーさん」

「なっちゃんに捕まって、この時間だよ」

「それは、おつだな!」

「全く…誰のせいだと思ってる?お前が」

「あー、ほんとさーせん!じゃあ着いたらまた連絡するわ!」

ガチャ。ツーツーツー。
ピッ。

ごめんな亮太。

僕はまた嘘をついて、
待ち合わせ場所へ向かった。

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