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イジワルな彼女。

第8章 絆-キズナ-


実は僕は人見知りで
高校では部活にも入らなかったため、
そこまで親しい友人がいなかった。
でも、学校生活に困るほどではなく
僕はそのままマイペースに過ごしていた。

一方の亮太は、入学してすぐに
クラスのムードメーカーとして人気者。
サッカー部では1年生で唯一、
レギュラーに選ばれるレベルだった。


サッカーに明け暮れる亮太と帰宅部の僕。
…だがある日の放課後。
僕は駅で、亮太から突然声を掛けられた。

「小日向も電車こっちなんだ?
てかさ、腹へってね?どっか寄ろうぜ」

僕は何故かラーメン屋に連れていかれ、
亮太と並んで麺をすすった。

「小日向は部活やらねーの?」

「あぁ…入るか悩んだけど、
そのまま帰宅部って感じかな」

「そっか。じゃあ、帰宅部仲間として
これからよろしく!」

「え!?」

僕はびっくりして、
思わず大きな声を漏らした。

「えー?拒否!?さげぽよー」

そう笑いながら、亮太は言う。

「あ、いや違うけど…サッカーは?」

「さっき退部してきた」

「!?」

僕はこの日、
怒濤の展開についていくのに必死で
物凄く体力を使ったことを覚えている。


そして、いつの間にか
僕は亮太と親友になっていた。

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