
イジワルな彼女。
第2章 歩-アユム-
いつもと変わらない毎日。
せっかくの夏休みも、
高三の僕にとっては何の価値もない。
毎日ほぼ同じ時間に起きて、
共働きの両親がすでに家を出たあとの
空っぽのリビングへ。
僕はソファに腰を掛けると、
しばらくぼーっとして
それから朝食…
といってもトーストを1枚。
それも食べたり食べなかったり、
まぁ適当に。
軽く身支度をして、
溜め息ながらに玄関のドアを開ける。
今年は外に出るのが危険なレベルの
暑さが毎日毎日続いていて、
おまけに受験のためにと
親に言われて入った予備校とこの家を
往復するだけの日々。
さすがにそろそろ限界だ。
