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『untitled』

第7章 青春18きっぷ - story Ⅱ-

【相葉side】


「「うわ~!!」」

引っ張られる力が急に弱まってバランスを崩した
俺とニノちゃん。

先に床に倒れた俺にニノちゃんが覆いかぶさってくる。

俺を見上げるニノちゃんも可愛いけど、
見下ろしてくるニノちゃんも可愛い。

そして何よりこの至近距離、
ちょっと顔を伸ばせはチューできそう。

「それっ♡」

……えっ?

目の前のニノちゃんが聞こえてきた潤の声と共にバランスを崩して前のめりになって……

んっ…!!!

ニッ、ニノちゃんの唇がぁぁぁぁぁ!!!!!

おっ、俺の唇にぃぃぃぃぃ!!!!

やっ……柔らけぇぇぇぇ♡

「こらぁぁぁぁぁぁぁ、相葉ぁぁぁぁ!」

「ちょっと!何してるのっ!俺だってまだほっぺにしかしてないのにっ!」

俺の幸せ気分を台無しにする2人の声が教室に響き、目を真ん丸にして驚いているニノちゃんを引き剥がした。

そのままニノちゃんは床にへたり込み、ぼーぜんとしながらもさっき重ねた唇を指で触ってる。

「ニノちゃん……いてっ!」

俺も起き上がり、ニノちゃんの顔に手を伸ばしたらペチンとその手を伊野尾が叩いた。

「ズルいズルい、俺も相葉くんとチューする」

唇を尖らした伊野尾が迫ってくる。

「おいっ、止めろっ!」

「じゃあ、ゴホンっ……俺もニノと」

ポケットからリップクリームを取り出して、入念に唇に塗りたくっていく丸山先輩。

「ちょっと待って!おい、伊野尾…離せっ!」

慌てて丸山先輩を止めようにも伊野尾が俺の腕を引っ張る。

誰か、止めてぇぇぇぇぇ!

「ストーップ!」

潤の叫び声にニノちゃんはピクっとようやく反応を見せ、残りの俺たちは動きを止めた。

「邪魔者は退散しますよ?」

「なにっ、俺はニノファンクラブ会長としてニノを守ろうと……」

「俺だって相葉ファンクラブ副会長として……」

「ふーん、その2人がニノちゃんと雅紀のキスを止めもせず見てたんですね。それを他の会員が知ったらどうなるんでしょうね?」

ニヤっと潤が不敵な笑みを浮かべた。

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