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『untitled』

第7章 青春18きっぷ - story Ⅱ-

【二宮side】

櫻井先輩は部長らしく新入部員を笑顔で迎え入れている。

握手までしてるし。

眼鏡をかけた、いかにもガリ勉野郎ばかり…

別にナニかを期待してるわけでもないけど。

ただ、部活動は俺のゲームライフと密接に関わってるんだ。

「あの…」

「ん?」

プリントを手にして固まってるのは…
“アイバ”くん…

「あの、これって…」

「なに?」

「テストか、なんかですか?」

「テストってわけじゃないけど…」

「良かったぁ~これ出来なきゃ部活に入れないってことかと思った~」

爽やかな笑顔でそう言い、俺の隣の椅子をひいて座った。

歓迎するって言ってただろうが…

「あ、俺もこのゲームやって…えっ!すごっ!
まだ、発売されて1ヶ月位ですよね?なのに、このレベルって…ニノちゃん先輩すごい!!!」

いや、いや、それほどでも…

ん?

「なんつった?」

「え?だから、すごいって!」

「すごいのは分かってる、そのあと!俺のこと
なんて言った?」

「俺のこと?」

「俺のこと、なんて呼んでんだよ!!!」

「ニノちゃん先輩のこと?」

「なんで、ニノちゃん、なんだよ!」

「だって~、二宮先輩だから」

「……」

真面目に、すごく真面目に言われた。

さぞ、そう呼ぶのが当たり前のように。

それに、なんか眩しい。

これはイケメンのせいなのか?

こいつが笑ったり、真面目な顔をしたりするとその場の空気まで変わってしまう。

「ニノっ!相葉くん、みてあげてね?」

櫻井先輩がとびきりの笑顔で言った。

怖っ!!!

あーいう笑顔のときは逆らっちゃいけない。

「ニノちゃん先輩♡教えて下さい!」

「Excel使うんだよ…」

相葉くんの目の前のキーボードを叩いた。

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