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『untitled』

第2章 青春18きっぷ

〈相葉side〉



体育館で部活紹介があるので、移動する。

「なんて、名前だっけな…」

「名前って?」

「可愛い先輩の名前!」

「何部なの?」

「運動部じゃないのは確か!」

「えっー!じゃー興味ZERO!!!」

松潤と肩を組みながらダラダラと歩く。

「あっ!俺、お手洗い!」

「何、その言葉遣い!俺も~‼」

松潤の後にくっついていく。

隣に並ぶ。

「覗くなよ!」

「いいじゃん!別に!」

手を洗って、あら?ハンカチ忘れちゃった?

手をヒラヒラさせてトイレから出ようとしたら、
変わりに入ってきた人にぶつかった。

「あっ!すいません!」

その人は俺より背が低い。
何年だ?

頬に水の滴がついてる。

「あっ!ごめんなさい!俺、ハンカチなくて!」

その人はチラリと俺を見て頬に手を当て何言わずにトイレに入って行ってしまった。

「手拭けよ!」

松潤がハンカチを貸してくれた。

手を拭き拭き…白い頬だったな。
前髪に隠れてたけど…可愛い目だった。

可愛い?

「今のだよ!思い出した!二宮だ!二宮先輩!」

可愛い…
俺、可愛いって思った。
男だよ?
男のこと可愛いって思っちゃった…

松潤の話はちっとも耳に入ってこなかった。


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