
『untitled』
第2章 青春18きっぷ
〈二宮side〉
「ちょっと待ってください!聞いて……」
「聞いて……?」
俺は慌てて口を手で塞いで言葉を飲み込んだ。
笑顔だった櫻井先輩の顔が鬼の形相に戻る。
「普通、部長がするもんでしょ?何で俺がしなきゃいけないんですか!」
「んー、受けがいいから」
意味のわからない答えに今度は開いた口が塞がらない。
「ニノ、今の状況わかってる?」
「えっ?」
「部員数、今何名だ?」
そんな事、知らないよ……
俺は重い腰を上げて部員の人数を数えた。
いち、にー、さん……
「10人ですけど」
「そのうち3年は何人だ?」
「えっと……6人です」
「わかるよな?」
いえ、全くわかりません。
「俺ら3年が卒業したら残りは4人。これが表すことはさすがにわかるよな?」
4人……か。
「あぁぁぁぁ!」
「イテッ!びっ、ビックリした……」
ガタンと椅子から転げ落ちたのは、寝てばっかの顧問の大野先生。
「廃部……」
「正解」
「だからって嫌がる俺を無理やりはダメでしょ?ねっ、先生」
「それはな……」
いいぞ、大野先生!
「廃部になったら大野先生は何部の顧問ですかね?」
ニヤリと口角を上げて大野先生を見つめる櫻井先輩。
「頑張れっ、二宮!」
貼り付けた様な爽やかスマイルの大野先生。
俺……あなたの笑顔が嫌いになりました。
「ちょっと待ってください!聞いて……」
「聞いて……?」
俺は慌てて口を手で塞いで言葉を飲み込んだ。
笑顔だった櫻井先輩の顔が鬼の形相に戻る。
「普通、部長がするもんでしょ?何で俺がしなきゃいけないんですか!」
「んー、受けがいいから」
意味のわからない答えに今度は開いた口が塞がらない。
「ニノ、今の状況わかってる?」
「えっ?」
「部員数、今何名だ?」
そんな事、知らないよ……
俺は重い腰を上げて部員の人数を数えた。
いち、にー、さん……
「10人ですけど」
「そのうち3年は何人だ?」
「えっと……6人です」
「わかるよな?」
いえ、全くわかりません。
「俺ら3年が卒業したら残りは4人。これが表すことはさすがにわかるよな?」
4人……か。
「あぁぁぁぁ!」
「イテッ!びっ、ビックリした……」
ガタンと椅子から転げ落ちたのは、寝てばっかの顧問の大野先生。
「廃部……」
「正解」
「だからって嫌がる俺を無理やりはダメでしょ?ねっ、先生」
「それはな……」
いいぞ、大野先生!
「廃部になったら大野先生は何部の顧問ですかね?」
ニヤリと口角を上げて大野先生を見つめる櫻井先輩。
「頑張れっ、二宮!」
貼り付けた様な爽やかスマイルの大野先生。
俺……あなたの笑顔が嫌いになりました。
