
『untitled』
第5章 赤いシクラメン
来年度のMHK開局50周年の記念ドラマが無事にクランクアップした。
ずっと時代物をやりたいって翔や事務所に伝えていたので、プロデューサーに俺を売り込んでくれた。
『いつも同じ』って言われることが嫌だったし、これからも翔と一緒に過ごすためには一皮も二皮も剥けなきゃいけない。
今回は殺陣などの経験も出来たし、今後アクション系のドラマにも役立つだろう。
そして何よりも……
翔が見たい俺を見せる事ができた。
きっとこれからも翔が望む『俳優 松本潤』を見せる事ができればずっとそばにいる事ができる。
「ドラマ、お疲れ様でした」
もちろん恋人としてもね?
「マネージャーはもう……終わりだろ?」
エレベータに乗り込むと、俺への想いを抑え込む銀縁眼鏡を奪ってスーツのポケットに入れた。
「まだ誰かが……」
「ここまで来たら誰も来ないよ?」
手を引き寄せて抱きしめると、翔も背中に手を回すとギュッと抱きつく。
「俺、カッコ良かっただろ?」
「うん、カッコ良かった」
少し身体を離して翔を見つめれば、マネージャーとしての凛凛しい顔つきは消え去っていた。
「抱かれた時を思い出すくらいだもんな?」
「なっ、なに……バカな事…っ」
離れようとする身体を引き寄せてそのまま唇を重ねた。
「これからたっぷりと見せてやるよ」
欲情に染まる潤んだ瞳が俺を……俺だけを捉えて離さない。
「好きだよ、翔」
ゆっくりと瞼を閉じて俺のキスを受け入れる翔を見つめながら顔を近づける。
チーン…
「ねぇ、お願いっ!いいでしょ?」
……えっ?
「ダメっ、潤」
「うわ…っ!」
エレベーターの扉が開く音と同時に聞こえた声に俺は思いっきり身体を突き飛ばされる。
「申し訳ありません、今日は……」
珍しく慌てるバドラーの大野さんの声。
「誰か……いるみたいですね」
エレベーターを出て様子を伺う翔は、銀縁眼鏡をかけて仕事モードに切り替わっていた。
ずっと時代物をやりたいって翔や事務所に伝えていたので、プロデューサーに俺を売り込んでくれた。
『いつも同じ』って言われることが嫌だったし、これからも翔と一緒に過ごすためには一皮も二皮も剥けなきゃいけない。
今回は殺陣などの経験も出来たし、今後アクション系のドラマにも役立つだろう。
そして何よりも……
翔が見たい俺を見せる事ができた。
きっとこれからも翔が望む『俳優 松本潤』を見せる事ができればずっとそばにいる事ができる。
「ドラマ、お疲れ様でした」
もちろん恋人としてもね?
「マネージャーはもう……終わりだろ?」
エレベータに乗り込むと、俺への想いを抑え込む銀縁眼鏡を奪ってスーツのポケットに入れた。
「まだ誰かが……」
「ここまで来たら誰も来ないよ?」
手を引き寄せて抱きしめると、翔も背中に手を回すとギュッと抱きつく。
「俺、カッコ良かっただろ?」
「うん、カッコ良かった」
少し身体を離して翔を見つめれば、マネージャーとしての凛凛しい顔つきは消え去っていた。
「抱かれた時を思い出すくらいだもんな?」
「なっ、なに……バカな事…っ」
離れようとする身体を引き寄せてそのまま唇を重ねた。
「これからたっぷりと見せてやるよ」
欲情に染まる潤んだ瞳が俺を……俺だけを捉えて離さない。
「好きだよ、翔」
ゆっくりと瞼を閉じて俺のキスを受け入れる翔を見つめながら顔を近づける。
チーン…
「ねぇ、お願いっ!いいでしょ?」
……えっ?
「ダメっ、潤」
「うわ…っ!」
エレベーターの扉が開く音と同時に聞こえた声に俺は思いっきり身体を突き飛ばされる。
「申し訳ありません、今日は……」
珍しく慌てるバドラーの大野さんの声。
「誰か……いるみたいですね」
エレベーターを出て様子を伺う翔は、銀縁眼鏡をかけて仕事モードに切り替わっていた。
