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『untitled』

第2章 青春18きっぷ

〈相葉side〉




「最後は情報処理部です。」

舞台の袖から出てきた猫背の人。
周りがザワザワしている。

『やっと最後だぁ~!』

『本当にやっとだ…!!!!!』

最初は俯きがちでマイクに向かって話していたが
途中で俺たち一年生を見渡した。

さっきは前髪が目にかかっていて顔がよく見えなかったけど…

「可愛い…」

「え?」

顎のホクロのせいなのか、口元が色っぽい。
だけど、原稿を握る手はクリームパンのようで…

こちらを見た時に目が合ったような気がしたんだ。

「情報処理部をよろしくお願い致します」

俺は立ち上がった。
松潤、俺を止めるな!
「おいっ!相葉くん!」

「こちらこそっ!よろしくお願いしますっ!!」

高鳴るこの胸が言ってる。
ううん。
朝の占いで言っていた。
今日は直感を信じて突き進め!って。

これは
この出会いは
運命なんだ。

「座れって!!」

なんだか、笑いに混じって拍手が周りで起きている。

壇上の二宮先輩は顔を真っ赤にして俺を見てる。

「俺、入ります。」

二宮先輩は頷いてくれた。

そして、照れ臭そうに微笑んだ。

「おいっ!座れって!恥ずかしいなっ!」

松潤に無理矢理座らされた。

「ねぇ…松潤…情報処理部ってなにするの?」

「はぁ???」


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