
『untitled』
第2章 青春18きっぷ
〈二宮side〉
「こちらこそっ!よろしくお願いしますっ!!」
体育館内に響いた叫び声に思わず壇上を去ろうとした足を止めた。
目線を一年が並んでいる方に戻すと、叫んだ人はすぐに見つかった。
さっきまで見つめていた人は立ちあがっていて、みんなの注目の的になっていた。
何、恥ずかしい事してんだよ!
って、俺もジッと見つめてたけどさ……
まさかこんな行動に出るなって想定してないじゃん。
こんな事に巻き込まれて、俺の静かなスクールライフが崩れるなんて絶対に嫌だ。
『ふざけるな』って怒鳴ってやりたいけど、その人にはそんな雰囲気は微塵もなくて……
後ろの人が必死に肩を押して座らせようとしているけどビクリとも動かない。
そして俺への視線も……
笑いの中にパラパラと上がる拍手。
それを向けられているのが自分だと思うと一気に恥ずかしさが込み上げてきた。
早くここから去ればいいのに……
目線を外せばいいのに……
身体がそれを許してくれない。
だだ俺の心臓だけはドクドクと早い鼓動を響かせる。
一体どうなってるんだよ俺の身体……
「俺、入ります」
パニックの中でもはっきり聞こえた入部を希望する声。
こんなヤツ入部させたらロクなことはない。
わかってる……
わかってるのに……
どこか嬉しく思っている自分がいる。
だから俺は『嫌』だとも首を横に振る事も出来なかった。
ジッとその人を見つめ首を縦に振った。
「こちらこそっ!よろしくお願いしますっ!!」
体育館内に響いた叫び声に思わず壇上を去ろうとした足を止めた。
目線を一年が並んでいる方に戻すと、叫んだ人はすぐに見つかった。
さっきまで見つめていた人は立ちあがっていて、みんなの注目の的になっていた。
何、恥ずかしい事してんだよ!
って、俺もジッと見つめてたけどさ……
まさかこんな行動に出るなって想定してないじゃん。
こんな事に巻き込まれて、俺の静かなスクールライフが崩れるなんて絶対に嫌だ。
『ふざけるな』って怒鳴ってやりたいけど、その人にはそんな雰囲気は微塵もなくて……
後ろの人が必死に肩を押して座らせようとしているけどビクリとも動かない。
そして俺への視線も……
笑いの中にパラパラと上がる拍手。
それを向けられているのが自分だと思うと一気に恥ずかしさが込み上げてきた。
早くここから去ればいいのに……
目線を外せばいいのに……
身体がそれを許してくれない。
だだ俺の心臓だけはドクドクと早い鼓動を響かせる。
一体どうなってるんだよ俺の身体……
「俺、入ります」
パニックの中でもはっきり聞こえた入部を希望する声。
こんなヤツ入部させたらロクなことはない。
わかってる……
わかってるのに……
どこか嬉しく思っている自分がいる。
だから俺は『嫌』だとも首を横に振る事も出来なかった。
ジッとその人を見つめ首を縦に振った。
