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先生の秘密

第3章 ◎VS

無言で靴を履き、おじゃましました、と言って出ていく和樹。
「和樹っ?ちょっと待ってよー!」
あたしも慌てて後を追う。
てゆうか、買い物行こうって言ったの和樹じゃん。何で置いてくのよ!
あたしはぶつぶつ言いながら玄関を出ると、和樹はすでに自転車に乗ってスタンバイしていた。
…あそっか、あそこのショッピングモール行くなら自転車だね。
あたしは自転車の鍵を取りに戻ろうとした。
「いいよ。俺の後ろ乗せるから」
え?まさかの2人乗りですか?
学校には一緒に自転車で行っているけど2人乗りはしたことない。
「い、いいよっ!悪いし。あたし自分で乗るよ」
「いいから、早く。」
そう言う和樹。
てゆうかいつも別々なのに何で今日は2人乗り?あたし重いし…やだな…
「こーこっ」
促す和樹。
「あたし重いよ?いいの?」
「はいはい大丈夫。だから早く乗れよ」
あたしは渋々うなずいて和樹の自転車に近づく。
「いい?発進するよ」
その瞬間グラッと揺れる。
「わっ…」
そう言えばあたし2人乗りって初めてかも…。めっちゃ怖いんですけど!
「腕回せ」
「え?腕回せ?」
「お前ドジだから俺の腰に手回せ。落ちても知らねーよ」
「え…っひゃあっ!」

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