テキストサイズ

林檎の香りがするお店

第2章 ほのかに香る貴方の話

一日の仕事が終わると、電車に乗って帰宅する。
二駅過ぎる三駅目が私の家の最寄り駅。

駅を出ると思い出す、雨の日に会った大野さん。

あの日水浸しだったヒールはいつも通り足がおさまっている。

曲がってしまった傘はダメになってしまったけど…


暗い街に光が漏れている美容室には、店内が見えないようにクリーム色の幕がかかっていた。

ちょっと見つめて、歩き出す。








『もしかして、空ちゃん?』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ