
Deep Night《R18版》
第5章 Dog
怪しさしか感じさせない店員に男は食い下がるように写真を指差す。
「僕平凡な顔の女の子好きなんです。特に泣かせるのが趣味でして、この前の子は可愛すぎて逆にダメでした」
「……わかりました。本当はこの子今日で終わりなんですけど、特別にということで」
スッと男に手の平を差し出す店員の目は金と言っている。
一万円が相場なのかどうか男には分からない。
ただポケットから財布を出して諭吉を1枚取り出す。
「持ち合わせが少なくてすいません」
心なしの謝罪をして手の平に金を置くと店員はすぐに胸ポケットに仕舞い満面の笑みを浮かべた。
「ご案内します」
その変わり身の早さに男は呆れた。
案内された部屋は以前と同じ場所で相変わらず汚いベッドにため息が出た。
