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Deep Night《R18版》

第2章 No.217

ぐぅぅとお腹が鳴るのを堪えながら皆が食べる餌をニーナは眺めていた。

ここには食事を分けてくれる優しい人間は居ない。自分の食べる分しかないものを誰かに半分分け与えるなんてことは絶対にしない。

優しくしてくれてる先輩ですら餌は別だった。

「悪いね、ニーナ」

「今日頑張れば明日食えるよ」

「1日休んだもんねぇ」

「水で膨らませな」

口々に声は掛けてくれるが絶対に分けてはくれない。

此処は水より冷たい場所だということだ。

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