
ただ今嫉妬宮発動中!
第2章 嫉妬宮その2~N×J
一から頑張ってみようって、思ってはいた
ものの。
ずっと、和に頼りきっていたオレはやっぱ、
人があの頃からちょっと怖いって思いも
消えなくて……
入学して5月、6月と過ぎていく中クラスの連中は
もう、それぞれが仲のいいやつらで
ワイワイやっていたけど。
オレは、なかなか馴染めないでいた。
休み時間の度に、和が様子を見に来てくれて。
和は、独りでいるオレに安心したように
話しかけてくれていた。
……やっぱ、オレ。
ここに来ても、何にも変われないのかな。
そんな事をふと思いながら。
和が休み時間にオレの所に来ない時には、
オレが和のクラスまで行った。
約束してたから。
和と。
……でも、和はちゃんと新しい友達が
すぐ出来てて。
それを中に入れないで、うろうろしている
オレに、わざと見せつけるようにしていた。
そうやって、和だけ
もう、新しい世界で楽しそうに笑ってたんだ。
昔は、人見知りがひどかった和も。
あの頃から、容姿も変わっていって……
オレとは正反対になった。
綺麗な顔をしてる和は。
多分、女の子からも凄くモテたはずだ。
でも、和は
「キモい」だの「汚らわしい」だのと
オレの前では暴言吐き捨てて。
誰かを好きになることは一切なかった。
本当に、オレだけをずっとずっと
愛してくれて。
オレがいればそれでいいって……
でも。
もう、オレも。
いい加減。
自分の手で、厚く覆われている心の殻を
破らなきゃいけないって。
強く強く願うようになっていったんだ。
そんな時に、
あの人が
S「ねぇ、サッカー部入んない?」
って。
眩しいくらいの爽やかな笑顔で、
オレに話し掛けてきてくれたんだ。
翔君が、オレを新しい世界に引っ張って
くれたんだ。
