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ただ今嫉妬宮発動中!

第2章 嫉妬宮その2~N×J



ドロドロした感情に気分が悪くなっていく
オレの顔を、潤が少し不安そうに見ていた。


潤からすれば、多分。


オレが「サクライ」を睨んでいるように
見えたのだろうか?



だが、空気がたまに読めなくて、たまに
天然な所がある潤は
あろう事か自ら
オレの地雷を踏んだ。



J「和、翔君はさ、頭も良くて学年でトップなんだ  よ?スゴいよねっ?」




……学年トップのショウクン。



ね。



ふーん。



…………で?



そんな奴が、なんで潤に構うわけ?


腕組みしてるオレを一瞬見てサクライは、
潤に


S「潤も、勉強出来るじゃん!それにさ、
 お前、運動も出来るのに、何で帰宅部
 なんだよぉ~
 頼むから、サッカー部に入ってくれよぉ」



ペラペラ喋る、サクライは。


オレの潤の右腕に、ツンツンしながら
その、爽やかな笑顔でハハハッって豪快に
笑っている。



……黙れ、好青年。


気安く触んな。


オレの大事な潤の身体に!



N「……潤は身体が生まれつき弱いんだよ」



いつもと違う低い声でオレがそう言うのを
聞いた潤は、


J「あっ……あのゴメン!マジで。翔君がいつも
 誘ってくれるのは、本当に嬉しいんだけど……」


潤が、サクライに慌てたように謝っている。




は?


今なんて?


いつも誘ってくれてる?


……って、お前いつからそんなに誘われてた
んだよ?



S「身体、弱いんじゃ仕方ねぇよな~
 勿体ないよなぁ~マジで。
 潤と一緒にサッカーボール追って
 青春したかったぜぃ!カァ~ッ!
 畜生ッ!ハハハッ」          



またも豪快に笑うサクライ。


頭ん中で、ごちゃごちゃ思考を巡らせていた
が、この二人を前に本当に吐き気が
ひどくなって……



N「……じゃあ、また……潤、それじゃ……」  



それだけ言うのがやっとだったと思う。


やっぱ、あの日、襲われた吐き気と同じだ。


サクライと話してる潤に……


とてつもない、嫌悪感を覚えた。





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