
ただ今嫉妬宮発動中!
第2章 嫉妬宮その2~N×J
潤の教室から、出て行こうとしていたオレは、
急に左腕をグイッと後ろから引っ張られた。
J「和っ!ねぇ?大丈夫か?顔色……悪くない?」
潤の目が本当に心配そうに、見つめる。
オレは、そんな潤に
N「離せよ、触んな」
冷たい声で牽制した。
潤の瞳が一瞬、揺れたのをオレは見逃さなかった。
N「オレ、今日先に帰るわ」
それだけ言って、潤が掴んでいた腕を
サッと振りほどいて歩き出した。
一人で帰宅した放課後。
あれから、とんでもない吐き気に襲われながら
オレは。
自分の部屋のベッドに、横になった。
……。
潤の匂いがする。
甘い甘い、潤の匂い。
大好きなオレの双子の片割れ。
いつもは、安心するこの匂いさえも。
吐き気の材料になってしまってる今。
遠い昔の、あの日の潤の表情を思い出した。
みーちゃんに向けて幸せそうに笑ってた
あの潤の顔。
あの時の、オレを苛立たせた潤の顔。
サクライと一緒に笑って話してる潤は、
あの日の顔に似てたんだ。
オレにしか向けられないはずの潤の幸せそうな顔。
見たくなかった。
知らない奴に笑って話してる潤なんか。
まだ、気分が悪いオレは。
枕が濡れてたのに、気が付いた。
知らない間に、オレ……
泣いてたんだ?
