
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第3章 伯爵と通り魔
軽く投げた様に見えても――――…アレキサンダーの力で投げられたナイフは壁にしっかりと刺さりきりびくともしない
「――――…しかし、すみれの綺麗な黒髪をここまで切り刻んだきまさを俺は許さない…
ここで殺してしまおうか――――…だが…すみれは嫌がるだろう…
あの子は正義感が強いからな……だが、俺は正義も優しさも…残念ながら持ち合わせてはいないんだよ…」
アレキサンダーは壁に貼り付くオーナーを見下ろし頭を鷲掴みにした――――…
「ぐっぁ!!やっ――――めろ!」
頭を掴まれ恐怖に顔が歪むオーナー――――…
「安心しろ…殺しは――――…しない」
アレキサンダーは舌なめずりをすると…指に力を込めた――――…
「!!――――!あっ…ぐっぁ!あああ!」
アンティークショップの裏では重い空気が振動し――――…
オーナーの痛みに耐える声や暴れる音、悲鳴などは聞こえなくなった…
だが――――…
近寄りがたく…
暗く見えない壁がその回りを覆いかくしているようだった…
