
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第3章 伯爵と通り魔
どこからこんな力が出るのか分からないが、ピノ彦君は私を抱え凄いスピードでドレスショップに駆け込む
「白本!車を出せ――――屋敷に帰るぞ!」
いつも可愛らしいピノ彦君が…白本さんにきつく命令を出す!
「はい!かしこまりました!」
白本さんはピノ彦君と私の状態を瞬時に理解したのか手にしていたドレスを店主に渡すと車のある裏の駐車に向かった
そこからは、誰も話すことなく私はピノ彦君に抱えられたまま――――…車に乗り…
屋敷へと――――…
何が――――…なんだか…分からない…
どうして…?アンティークショップのオーナーが…私を襲ったのか
どうして…足から血が出ているのか…
どうして…アレキサンダーがここにいないのか…
考えようと頭を使いたいのに…
分からないことが多すぎて…頭が回らない
「有森様…少し寝ていてください」
「え――――…ぇ……」
そして、なんでこんなに眠いのか…
なんで――――…なんで…
私は瞼が重くなることに逆らえず…
瞳を閉じた
