
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第6章 伯爵と訪問者
外は天気もよく…ジャムを作るにはもってこいの日だ――――…
アレキサンダーはすみれの居るであろう葡萄園の中にある建物を見つめた
「すみれが素手で潰した…ブルーベリージャムを体全身に浴びたい…」
「…ご主人様、体が紫になってしまいますよ…
それに…ジャム作りでブルーベリーは素手では潰さないと…思います…」
「え!そうなの!?素手で潰さないの!?」
ピノ彦はやれやれと呆れたが、葡萄園を眺めるアレキサンダーの目が少しだけ寂しそうに見えた
アレキサンダーは大きくため息をつくと、「さてと、私も準備するか」と、窓辺を離れた
半年に一度やって来る来客のために…部屋を移動した
その男は、保険の外交員とリストには書いてあるが
その男が保険など扱ったことは一度もない
それもそのはず…その男は保険とはまったく違う理由でここへ来ていた――――…
