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ながれぼし

第6章 きみごころ



そして
事はやっぱり動き始める。



.

櫻「は?!OKした?!」

櫻ちゃんの驚いたのような、すでに不機嫌になったような声が食堂内にそれなりに響いた。

「櫻ちゃん。声でけーよ。」
なんもしなくても目立つんだから、更に注目集めてどうすんの。

櫻「ぁ…悪ぃ。でもOKしたってどういうことだよ?!」


大「…だってしつこいんだもん。」
大野っちは、ばつが悪そうに口をへの字。

櫻「はぁ?それで行くっつったの?」
櫻ちゃんは、不機嫌。を通り越して怒りんぼ。

大「だって…1回来てくれれば、もう誘わないからって言うから。それに…」
櫻「はぁぁ……」


大「………」


…もぉ櫻ちゃん。

あれだよね。

「それに。先輩だし、毎日毎日、何度も何度も待ち伏せされたら嫌だな。だったら1回飲み行って、それがなくなるならいいや。って思っちゃうよね。」


大「タケちゃん…」


櫻「だからって、あいつどー見ても"ただ"智くんと飲みたい。って感じじゃねーじゃん。」


大「え?」

あいつ。って(笑)
流石の櫻ちゃんでもわかりましたか。

「だろうねぇ。俺"あの先輩"そこまで詳しくは知んないけど、噂では気に入った男(子)には、かーなーりしつこいみたいよ?
大野っち。一緒に飲みになんて行ったら散々酒飲まされて、ぺしゃんこに潰されちゃうかもねー?」


大「ぺしゃんこ…??」


櫻「……」

きょとん。とした大野っちに反して、櫻ちゃんの眉間には皺がこれでもかと寄っていく。


「んーこうなると…行っても大変。行かなくても大変。どうする?櫻ちゃん。」
敢えて櫻ちゃんに言ってみる。


さぁて、お姫様のピンチ。
王子様はどうする?

なーんて。


櫻「………」


大「あの…俺、良く意味がわかんないんだけど…ねぇタケちゃん?」


櫻「……俺も行く。」


大「え?翔くん?」

お。それでそれで?

櫻「俺とタケも行く。」

うんうん。なるほど。



「って!え?!俺も??!」


櫻「当たり前だ。」

なぜに?

櫻「俺に考えがある。」


えぇぇぇーーーーー………




大「ねぇ俺は無視なの?」


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