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ながれぼし

第8章 in the water




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「・・・ってわけなんだよ。」


大「ジュニアの……そっか、じゃぁ松本くんは初めから、松兄のこと分かってたんだ。」と、大野くんは、少しだけ眉毛を下げた顔で俺を見た。


あの後、俺と松岡コー……さんとの(「もうコーチじゃねーから、コーチって呼ぶな。」だって)関係を大野くんへ話した。


「ううん。あれ?とは思ったけど、確信は無かったよ。」


松岡「そうなのか?じゃぁなんで…」


「う〜ん…ふふ。それは…背中?」


松岡「背中?」


「ジュニアの時も、良くバシーっ!って俺の背中叩いてくれてたなって。あ、この痛み懐かしーって甦って、だから、松岡コーチだなって思いました。」
思わず、くすくすと笑ってしまえば

大「…ほらぁ。」

松岡「……そうだっけか?」
松岡さんは、大野くんに睨まれて。ばつが悪そうに頭の後ろを掻いた。

「沢山気合い入れて貰いました。あの時は、お世話になりました。」
俺は、その頃の感謝を込めて頭を下げた。


松岡「なんだよ改まって。もうずっと前のことだろ。」

ポンポン。と優しく、下げた頭に手を乗せられて、それにつられて頭を上げれば

松岡「な?」
あの頃と変わらない、男らしい笑顔。




…うん。

大丈夫。

この人なら大丈夫。


「あの。聞いても良いですか?」

俺は、覚悟を決めた。

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