
ながれぼし
第8章 in the water
「はぁ…はぁ…」
追いかけたは良いけれど
もう既に学校内には見当たらなくて
つか俺、何やってる?
なんで追っかけてる?
追っかけて、追い付いたら…
何を しようとしてる?
てか、いいの?
だってこれは……
「、」
…あ、いた
「っ大野くん!」
学校を出て、角を曲がった先で見つけた
2つの背中。
小柄で華奢な大野くんの背中と、
すらりと背の高く、幅の広いたくましい背中。
もうさっきみたく、言い合いはしてなくて
同じ方向を向いて歩みを進める。
大「!…え?松本くん…?」
俺の声に、大野くんが振り向けば、大きくなった瞳と目が合う。
「はぁ……あ…」
…ぁ…と
大「…ど、どうしたの?」
「あ のさ…」
なんて切り出したら…
大野くんと、その人の前で止めた足。
こんな少しの距離をダッシュしただけなのに、首からは汗が垂れた。
ろくに考えもまとまってないし、半ば反射的に追いかけて来てしまった俺の頭は……真っ白になって
「……えっと……」
取り敢えず、ツー。とこめかみを流れてきた汗を掌で脱ぐってはみたものの
大「松本くん…?」
…
……
変な空気が流れて…
でも、それを消したのは
「あ!さっきいたぼーずか!」
この人。
「え?…あ…はい。松本と言います。」
「智の友達か?」
「はい。」
「そぉかそぉか♪
こいつちっと変わってるけどさ、いい子だからさ。これからも、智と仲良くしてやってくれ、な!」
バンっ!
「うわっ…」
な!と同時に俺は背中を叩かれた。
