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ながれぼし

第8章 in the water




ド キン


思いもよらない時に、思いもよらな人物から、急に出てきた大野くんの名前に心臓が跳ねる。

…っあーもお!何なんだこの体!
こんな時に反応してる場合じゃないだろっ!


ニ・相「「おおちゃん?」」

俺のドキン。とほとんど同時に
おおちゃん。と声をハモらせて顔を見合わせた2人。

「おお!なんだ、ぼーずら智の友達か。」
こっちでも、おおちゃんって呼ばれてんのかぁ。とまたガハハと笑う。



豪快に笑う変質…お兄さん
そう。今俺達の目の前にいるのは、20代位の若い男性で……


いやまて
まてまて
それよかさ

ニノと雅紀。君らいつから大野くんのこと『おおちゃん』って呼んでんだ?俺知らないよ?いつの間に?!

相「はっ!!もしかしてお兄さんって!おおちゃんのお兄さん?!」
パァっ!と表情を輝かせ聞いたのは雅紀。

親しみのある人物の名前が出てきたもんだから、もう、雅紀の中の警戒心は薄れたようだ。



…そだな。今はこっちだ。
こっちが解決してから、2人には聞こう。


「お兄さん?……ガハハハハハっ!
そぉか俺、兄貴に見えんのか。
俺もまだまだいけるなぁ。」
整った顔を崩して嬉しそうに笑い

相「え?違うの?」

「あぁ。残念ながらな。」
そしてまた、右の口角を上げる。

「…じゃ…貴方は…いったい……」


やっぱり…変質者…

はたまた大野くんのストーカーとか


………あり得る。

だって大野くんって、あの容姿だし、あの性格だし、あのほんわかした笑顔、女の子だけじゃなく、絶対男にも好かれそうだ。


「「「(ゴクっ…)」」」

ニノと雅紀。
たぶん、俺と同じ事を思ったんだろう。

俺達にまたピリ。っとした空気が走った



「何を隠そう。俺は智の親だ!」

そう言ってお兄さんは、親指を立ててドーン。と自分の胸を指した。


あぁなんだ親か…

……

………え?


「「「親ぁ?!!」」」


きっと多分。
俺達は今日一の声を出した。



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