
ながれぼし
第8章 in the water
ニノの言葉に、反射的に顔をあげれば…
バチっ!!
と変質者と目が合った。
「!!」
相「ヤバい!逃げっ…!」
「おーい!ぼーずら!」
「「「!?」」」
あわあわ。わたわた。と逃げようとした俺達に
おーい。と片手を挙げてフレンドリーに声をかけてきた変質者。
その顔は…
…
……
いやにイケメンだ。
右の口角をあげて笑う仕草は
まるでどこかの芸能人の様な…
誰似かって言われたら直ぐには出てこないけど。
「なぁなぁ。ぼーずらは、ここの生徒だろ?」
あっという間に、その長い足で間合いを詰められて
ニ「っ……そ ですけど…」
ニノの目線に合わせるように屈まれたもんだから
ニノが警戒しつつ、顔をひきつらせて慎重に答える。
「水泳部っつーのはここでいいんだよなぁ?」
大きな体に反して、小さな顔に付いたシャープな顎を指で擦りながら首を傾げる。
「「「…」」」
「あれ?プールってここだけだろ?」
ニ「……なんか用ですか?」
ニノ声に刺が生える。
「ん?」
ニノの警戒している雰囲気に流石に気が付いたのか
「…あぁ!悪い!悪い!」
と、思ったらガハハと笑いだした。
「「「(ビクッ!)」」」
そして、更に不審がる俺達に
「大野智ってヤツが水泳部にいるだろ?
どんな感じで部活やってんのかなぁって思ってさ、見に来たんだよ。」
と、何故だか、今度はちょっと照れたように笑って言った。
