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WーWING

第7章 二人だけ

 隼斗は心の中で思った。


(まさかな……アレまでは……これは彼女が出来た時の予行練習だよな)


 308号室。


「……入るぞ、隼斗」


 男二人で入るラブホテル。かなり抵抗はあった。いや、むしろ抵抗しかない。


 室内は、普通に部屋だった。特に鏡張りにはなっていない。だが、ここはラブホテルだと言うだけで、大人の香りがしてくるようだった。


 隼斗は不安よりもドキドキ感が高まってきた。


「まあ、バカでかいベッドが1つあるだけでも、それっぽいな」


 二人共に、入るのは初めてだ。


 隼斗はすでに、その雰囲気に呑まれてしまっている。


 成人を過ぎて、彼女と一緒でないと来れないと思っていた。


「優雅……ここって、高校生が入っていいの?」


「なに言ってる。試験勉強するのに、静かな場所がほしいと、ラブホを使用する受験生もいるんだ。でな、ちょっと待っとけ」


 優雅はそう言うと、フロントに電話を入れた。


「あ、もしもし。実はですね。我々、高三で18歳なんですが、3時間ほど、部屋を貸してもらっていいですか? はい、受験生でして、静かな場所で勉強したいんです……はい……はい……わかりました。はい、すいません」

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