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WーWING

第7章 二人だけ

「一緒に入るのは抵抗あるだろう。だからまず、俺から先に入る」と優雅が、ホテルの入り口を見つめる。


「えっ、やっぱり入るのっ!! いや、でも、お金が……」


「姉がパチンコで10万勝って、小遣い2万もらった」


「優雅の姉さん、強いなぁ……」


 優雅はまず、一人で走るように入っていった。


「うそ……マジで入って行ったよ……」


 隼斗は周りの目を気にしながら、チラチラと入り口を見る。


 だが、タイミングを見ても、なかなか足が動かない。


 すると……。


「はやとぉーーっ!!」


 優雅が大声で呼び込む。


 あわてて、隼斗も入っていった。


 中で優雅が手招きをする。


「部屋は決めといたから。3階の308号室に行くぞ」


 部屋の様子の写真パネルがいくつもあり、パネルの下にカードが差し込まれている。


 カードのないパネルには、人が入っているということだ。


「え、優雅、ここに来たことあるの?」


「初めてだ」


「じゃ、なんでシステム知ってるの?」


「姉ちゃんがバイトで、知らんおっさんと来てる」


 堂々とよく言えるものだ。

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