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WーWING

第3章 俺達、WーWING

 学食は1階まで下りると、すぐ横にある。


 いつもなら、疲れるからと、学食に下りるのを躊躇っていたが、優雅のアドバイスのおかげで、階段が楽しくなった。


 さっそく食券を買って「おばちゃん、カレーライスちょうだい」と言って差し出した。


「さて、空いてるかなぁ……」と全体を見渡す。


「相羽っ!」


 自分を呼ぶ声がした。


「?」


 無言で声をした方に顔を向けると、そこにいたのは、優雅だった。


 優雅は、自分の前の席を指差している。


 そこには誰も座っていない。


「あ、空いてる」


 カレーライスはトレイに乗って、すぐに出てきた。


 隼斗は、カレーライスが乗ったトレイを持って運ぶ。


 優雅は美味そうに、唐揚げ定食を食べていた。


「いま、昼飯か?」と優雅が声をかける。


 隼斗は席に着くと、何も言わずに、豪快にカレーを頬張り出す。


 その様子を唖然としながら、優雅は眺める。


「あ、相羽さぁ……腹減らしすぎだろぅよ」


 隼斗には聞こえていない。聞こえているのは、スプーンが皿に当たる音だけだ。


 わずか2分で、一杯のカレーを完食した。

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