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WーWING

第3章 俺達、WーWING

「あれ? 疲れるのは疲れるけど、いつもよりマシだ」


「静荷重静移動ってんだ。昔、ワンダーフォーゲル部だったからな。教わったんだ」と優雅は、得意気に言った。


 隼斗は今まで足だけで、体重を支えて上がっていた。


 今度は、その体重を利用して、上っている。


 だが、疲れた。


 やっと4階までやってきた。


「はぁ、はぁ、でも、いつもより上りやすかった。アドバイスありがとう」


「まあ、階段上がるだけだけどな。おっ、朝礼行かなきゃな。相羽、またな」


 そう言うと、優雅は階段を下りていった。


「面白いやつだなぁ……」


 かけ下りる、優雅の後ろ姿を見送った。


 朝礼が終わり、昼までの授業も終わる。


 待ちに待ったお昼だ。


「腹減った……」


 だが、毎回、母が作るお弁当は量が少ない。


 量が少ないと言っても、弁当箱の大きさは、雑貨量販店で売っていた、そこそこ大型のもの。


 だが、隼斗にとっては足りない。 


 なので、弁当を食べ終わると学食に向かう。

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