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僕ら× 1st.

第1章 初期状態 --Ior,Shu

***

翌々日、授業の中休み。
隣教室の雰囲気を偵察に行って戻ってくると、教室の窓際で女子たちが騒いでいた。

「どっちも、レベル高っ!熱出そうっ」

「私は断然、髪の短いほう!めっちゃカッコいい!」

入学早々、かしましいこって。

通りついでに窓の外、女子たちの視線の先になにげなく目をやると……。
げ……ヤツらか。

これから体育の授業を受けるのであろう悪兄2人が、軽く空手をしながらじゃれあっていた。

柊兄が僕に気づいて、手を振ってくる。
ヤバッ……。

「伊織ー!どのコー?」

ばっか、そんな大声出すなよ。
それにここにはいないし……いても教えないし!

僕はさっと隠れて自分の席に着いた。

次の瞬間、女子の好奇の目に晒されて、机を取りかこまれる。

「速水君、あの先パイ知ってるの?」

「名前とクラスと生年月日教えて!」

「何部かな?わかる?」

「あの2人、バイとゲイって本当?」

本鈴が鳴るまで質問は続いた。

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