
僕ら× 1st.
第1章 初期状態 --Ior,Shu
「俺、女にキョーミねぇし」
アル兄はスクリュードライバーをくるくるまわして、子どもみたいにニコッと笑う。
「兄貴モテるんだろ?何回か家の前に女のコ来てたし」
実際、アル兄は整った顔立ちをしている。
それに引きしまった身体で、特技は空手。
学校の成績も優秀で、全国テストでもリストに常時、名前が載るほどだ。
傍で転がっている柊兄も負けてはいないが、僕はアル兄が柊兄の半分でも女子への気遣いの精神を身につければ、向かうところ敵なしなんじゃないかと思っている。
ま、僕もルックス以外はいい線いってるはずだけど。
これ、自分で言ってて悲しいな……。
「こいつ、性格に問題ありだから、口開くと嫌われんだ」
静かにスマホを操作していた柊兄が、楽しそうに口をはさむ。
「女はウザイ。てか、俺に惚れる女は、ウザイ」
「……とりつく島もないね」
日頃から格闘と機械に没頭しているアル兄に聞いた僕が、間違ってた。
自分を好いてくれる女のコがウザイって、何だよそれ。
意識してなかったコに好かれても充分嬉しいだろ?
でも僕は、彼女ヒトスジだけどさ。
アル兄はスクリュードライバーをくるくるまわして、子どもみたいにニコッと笑う。
「兄貴モテるんだろ?何回か家の前に女のコ来てたし」
実際、アル兄は整った顔立ちをしている。
それに引きしまった身体で、特技は空手。
学校の成績も優秀で、全国テストでもリストに常時、名前が載るほどだ。
傍で転がっている柊兄も負けてはいないが、僕はアル兄が柊兄の半分でも女子への気遣いの精神を身につければ、向かうところ敵なしなんじゃないかと思っている。
ま、僕もルックス以外はいい線いってるはずだけど。
これ、自分で言ってて悲しいな……。
「こいつ、性格に問題ありだから、口開くと嫌われんだ」
静かにスマホを操作していた柊兄が、楽しそうに口をはさむ。
「女はウザイ。てか、俺に惚れる女は、ウザイ」
「……とりつく島もないね」
日頃から格闘と機械に没頭しているアル兄に聞いた僕が、間違ってた。
自分を好いてくれる女のコがウザイって、何だよそれ。
意識してなかったコに好かれても充分嬉しいだろ?
でも僕は、彼女ヒトスジだけどさ。
