
僕ら× 1st.
第1章 初期状態 --Ior,Shu
マイ スウィート フラウリィ…宮石花野(カノ)が、自分に親しみを感じてくれているのはよくわかる。
だけどそれは、生まれた時から家族のように過ごしてきたからこそ。
彼女の僕に対する気持ちに、甘い恋愛感情はない。
不用意に気持ちを打ちあけて、今の関係を崩したくない。
「フラレたらやだし」
「はっ!イオは可愛いねぇ!」
いつもアル兄は、気の向いたとこだけ返してくる。
だいたいが僕のことをからかうため。
ちゃんと聞いてんじゃないよ…この機械オタクめ!
リビングだというのに、壁や床を我が物顔で伝う配線を見つめ、僕は大きくため息をついた。
「そう言う兄貴は?アル兄の話、聞いたことない」
僕の話を聞いているのかいないのか、アル兄は、脇に立てかけていた黒いプラスチックのカバーを丁寧に取りつけて満足そうに口角をあげる。
何がそんなにおもしろいんだ?この男は…。
とにかく恋愛話より機械いじりね、よくわかったよ。
「容量激アップ、ざまあないっ。ししし」
独り言を無視して僕が本を読みかけたとき、思いだしたように話しかけてきた。
だけどそれは、生まれた時から家族のように過ごしてきたからこそ。
彼女の僕に対する気持ちに、甘い恋愛感情はない。
不用意に気持ちを打ちあけて、今の関係を崩したくない。
「フラレたらやだし」
「はっ!イオは可愛いねぇ!」
いつもアル兄は、気の向いたとこだけ返してくる。
だいたいが僕のことをからかうため。
ちゃんと聞いてんじゃないよ…この機械オタクめ!
リビングだというのに、壁や床を我が物顔で伝う配線を見つめ、僕は大きくため息をついた。
「そう言う兄貴は?アル兄の話、聞いたことない」
僕の話を聞いているのかいないのか、アル兄は、脇に立てかけていた黒いプラスチックのカバーを丁寧に取りつけて満足そうに口角をあげる。
何がそんなにおもしろいんだ?この男は…。
とにかく恋愛話より機械いじりね、よくわかったよ。
「容量激アップ、ざまあないっ。ししし」
独り言を無視して僕が本を読みかけたとき、思いだしたように話しかけてきた。
