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僕ら× 1st.

第27章 牛、歩く --Mkt,Ar

***

「花野ちゃんと仲良くシチュー作るんだ。へぇ、アルって意外とロマンチストだよな?」

何でそれがロマンチストになるんだよ?と思ったのに、居松まで同意する。

「ホント。スーパーからビニール袋提げて2人で出てくる時点で、こそばゆいですよね?だって他でもないアル兄が!」

「なあ。アルがスーパーっ、似合わねぇ!それだけで面白ぇ!」

俺たちを後部席に乗せた後、前席の2人は勝手に盛り上がる。

「アル兄ったら、新婚気分でニヤニヤしてたんでしょう?」

居松に見られてたか……。

「るせっ。お前らがいるんじゃ雰囲気台無し」

こうなったからには2人も宮石邸に誘われ、現在4人で向かっているところ。

俺たちだけ降ろして、お前らはその辺りで連絡するまで茶をしばいてりゃいいのに。

「花野ちゃん、余計な2人が邪魔して悪いね」

柊め、花野には気が回ること言うんだ。

「いえいえ。食材って多目にしか売ってなくて、すごく余りそうだったので逆に助かります」

……早々にあのキッチンを使えるようにしよう。
じゃねぇと俺、いつもこいつらに割り込まれてタカられる。

冷蔵庫も欲しいな。
いっそあの部屋に洗濯機とかも設置して、花野ちゃんと同棲してぇなぁ。

そして、裸エプロンで家事をしてるとこを後ろから抱き締める……。
夢のまた夢だけど。

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